WordPressの脆弱性を防ぐための効果的なセキュリティ対策とツール

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執筆者 株式会社カチカ

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WordPressは多くのWebサイトで利用されている人気のCMSです。

しかしその人気と普及に伴い、脆弱性が狙われるリスクが常にあります。

この記事では、WordPressの脆弱性について詳しく解説し、脆弱性とは何か、効果的なセキュリティ対策方法や使用できるツールについて紹介します。

この記事でわかること
・脆弱性とは何か
・そもそも何で攻撃してくるのか

・自分のサイトの脆弱性を調べる方法
・効果的なWordPressのセキュリティ対策

WordPressの脆弱性を防ぐための効果的な対策とツール

脆弱性とは何か

脆弱性(ぜいじゃくせい)とは、システムやソフトウェアに存在するセキュリティ上の欠陥や弱点のことを指します。

簡単に言えば、攻撃者が不正にアクセスしたり、システムを破壊したりできるような、セキュリティの穴のことです。

例として、ソフトウェアのコードにエラーがあり、悪意のあるコードを実行できてしまう、などがあります。

そもそも何で攻撃をしてくるのか

そもそもなぜ、何のメリットがあって、攻撃者は脆弱性を狙って攻撃してくるのでしょうか。

攻撃者には下記の様な目的があります。

データの盗難:
攻撃者は、ユーザー情報、クレジットカード情報、企業秘密などの機密データを盗むことができます。これにより、データを売買することで金銭的利益を得ることができます。

ウェブサイトのコントロール:
攻撃者はウェブサイトを乗っ取り、自分たちの目的に利用することができます。例えば、フィッシングサイトに転用したり、マルウェアを配布するためのプラットフォームとして利用することができます。

ボットネットの構築:
攻撃者は、多数のウェブサイトを乗っ取ってボットネットを構築し、大規模なDDoS攻撃やスパムメールの送信に利用することができます。これにより、さらなる攻撃や犯罪行為を実行するための基盤が得られます。

SEOスパム:
ウェブサイトにスパムリンクや悪質なコンテンツを埋め込み、自分たちのサイトのSEOを向上させることができます。また、他のサイトのランキングを下げるために利用されることもあります。

金銭的な利益:
ランサムウェア攻撃によって、サイト所有者から身代金を要求することで金銭を得ることができます。サイトを復旧するためには支払いが必要となる場合が多いです。

競争の排除:
攻撃者が競合他社のサイトを狙い、ダウンさせることで競争相手を排除し、自社のビジネスを優位に進めることができます。

スキルの向上と試験:
一部のハッカーは、自己のスキルを試し、向上させるために攻撃を行います。これにより、新たな攻撃手法を開発したり、自分たちの技術を証明することが目的です。

これらの理由から、攻撃者はWordPressの脆弱性を利用して攻撃してきます。

なので私たちは、webサイトのセキュリティを強化して、定期的なアップデートと脆弱性のチェックをしなければならないのです。

WordPressにおける脆弱性の具体例

WordPressは世界中で広く利用されている人気の高いCMSですが、その人気ゆえに、攻撃者にとって格好の標的となっています。

WordPressの脆弱性は、主に以下の2つの要因によって発生します。

1.プラグインやテーマの脆弱性

WordPressは、プラグインやテーマと呼ばれる外部のプログラムを導入することで、できる事を拡張することができますね。

しかし、これらのプラグインやテーマには、開発段階でセキュリティ上の欠陥が含まれている場合があり、攻撃者に悪用される可能性があります。

例えば、古いバージョンのプラグインで発見された脆弱性が修正されずに放置され、悪用されるケースなどが挙げられます。

2.WordPressのコアファイルの脆弱性

WordPressのコアファイル自体にも、セキュリティ上の欠陥が含まれている場合があります。

これらの脆弱性は、WordPressの開発チームによって発見され、修正されることがありますが、古いバージョンのWordPressを使用している場合は、脆弱性に対処できない可能性があります。

そのため、常に最新バージョンにアップデートすることが重要です。

脆弱性の原因

WordPressの脆弱性は主に、プラグインやテーマ、WordPressコアファイルに起因すると、上に書きました。

もう少し深掘りして、その脆弱性を引き起こす原因を、代表的なもので3つ紹介します。

1.プログラムのバグ

プログラムのバグは、開発段階で発生する可能性のあるエラーです。

バグによって、攻撃者が不正にアクセスしたり、システムを破壊したりできるような脆弱性が発生することがあります。

例えば、入力値のチェックが不十分な場合、悪意のあるスクリプトが実行されるクロスサイトスクリプティング(XSS)が発生するなどがあります。

2.設定ミス

WordPressの設定ミスも、脆弱性の原因となります。

パスワードの強度が低い場合や、不要なプラグインやテーマがインストールされている場合などは、攻撃のリスクが高まります。

初期設定のままだと、誰でも簡単に管理画面にアクセスできてしまうため、パスワードを複雑なものに変更するなどの対策が必要です。

3.そもそもの対策不足

セキュリティ対策が不足している場合も、脆弱性の原因となります。

例えば、最新バージョンへのアップデートを行っていない場合や、セキュリティプラグインを導入していない場合は、攻撃のリスクが高まります。

セキュリティ対策は、多層的に行うことが重要であり、WordPress本体、プラグイン、テーマを最新の状態に保つだけでなく、ファイアウォールやセキュリティプラグインの導入も検討する必要があります。

WordPressの脆弱性が狙われる理由

WordPressは脆弱性を突かれて攻撃される事が多いなどと聞いた事がある人は多いでしょう。

なぜWordPressばかり狙われるのでしょうか?主な理由とされているものを紹介します。

人気の高いCMSであるため

WordPressは世界中で広く使用されているためです。

世界中で多く使用されているという事は、WordPressの脆弱性を悪用することで、多くのwebサイトに同時に攻撃をかけることができます。

そのため、WordPressを使用しているウェブサイトは、常にセキュリティ対策を最新の状態に保つ必要があります。

オープンソースであるため

WordPressはオープンソースソフトウェアであり、プログラムが公開されています。

そのため、誰でもプログラムのソースコードを見ることができます。

これは同時に、悪意のある攻撃者も脆弱性を発見しやすくなるということでもあります。

そのため、WordPressの開発チームは、脆弱性の発見と修正を迅速に行う体制を整えています。

オープンソースだめじゃん。と思うかもですが、当然メリットも多いですので一応紹介します。

オープンソースのメリットには、透明性が高く多くの目で監視されるため脆弱性が早期に発見・修正されやすいです。また、世界中の開発者が協力して迅速なバグ修正や機能追加を行います。通常無料で利用できるため、ライセンスコストを削減できるコスト効率、ユーザーが自分のニーズに合わせてカスタマイズできる柔軟性、最新技術やトレンドが取り入れられ、成長が促進されます。

簡単に使えるため

WordPressは、専門知識がなくても簡単に利用できるため、設定ミスなどのセキュリティリスクが高まります。

特に、初心者ユーザーは、セキュリティ対策の重要性を理解していない場合があり、攻撃のリスクにさらされる可能性があります。

WordPressを使用する際は、セキュリティに関する基礎知識を学び、適切な対策を講じることが重要です。

WordPressの脆弱性を調べる方法

サイトヘルスを利用する

WordPressには、サイトヘルス機能が搭載されています。

この機能を使用することで、サイトのセキュリティ状態を確認することができます。

サイトヘルス機能は、WordPressのダッシュボードからアクセスできます。

サイトヘルス機能では、WordPressのバージョンやプラグインの更新状況、パスワードの強度などを確認することができます。

専門ツールを使用する

脆弱性診断ツールを使用することで、サイトのセキュリティをチェックすることができます。

脆弱性診断ツールは、ウェブサイトのセキュリティ上の欠陥を自動的に検出することができます。

これらのツールは、ウェブサイトに擬似的な攻撃を行い、脆弱性がないかどうかを検査します。

下記の他サイトで綺麗にまとめられています。
https://www.aspicjapan.org/asu/article/2865

料金体系や機能も本当に様々ですので、導入を考えている方は、いろいろ比較してみると良いでしょう。

専門家に依頼する

予算もあって、プロに任せたいという場合は、専門の業者に依頼しても良いでしょう。

セキュリティ専門家は、サイトのセキュリティ状態を詳しく診断し、適切な対策を提案することができます。

専門家に依頼する場合は費用がかかるかと思いますが、的確なアドバイスを得られるでしょう。

効果的なWordPressのセキュリティ対策

ここからは効果的なWordPressのセキュリティ対策を紹介します。

出来るだけ全て対応することをおすすめします。

最新バージョンへのアップデート

WordPress、プラグイン、テーマを常に最新の状態に保つことはとても重要です。

最新バージョンには、セキュリティ上の脆弱性が修正されているため、アップデートすることで、攻撃のリスクを軽減することができます。

自動更新機能を利用することで、常に最新の状態を保つことができますが、自動更新でプラグインが勝手にアップデートされて、それにサーバーが対応していなくてサイトが壊れてしまったりすることは珍しくないので、注意が必要です。

複雑なパスワードの設定

ログインパスワードを簡単なものにしてしまっている場合はリスクが高まります。

複雑な文字列に設定することが重要です。具体的には、英数字と記号を組み合わせ、12文字以上にすることが推奨されます。

また、複数のアカウントで同じパスワードを使用しないようにしましょう。

パスワードは定期的に変更することも有効な対策です。

二段階認証の導入

二段階認証は、パスワードに加えて、スマートフォンなどの別のデバイスに送信されるコードを入力することで、アカウントへのアクセスを許可する仕組みです。

これにより、万が一パスワードが盗まれた場合でも、不正アクセスを防ぐことができます。

二段階認証があると正直ログインがめんどくさくなりますが、それでも設定ができる場合は絶対に設定する事をおすすめします。

不要なプラグイン・テーマの削除

使用していないプラグインやテーマは削除して、攻撃のリスクを減らします。

不要なプラグインやテーマは、攻撃者にとって攻撃の経路となる可能性があります。

定期的にプラグインやテーマの見直しを行い、不要なものは削除しましょう。

定期的なバックアップ

データのバックアップを定期的に行うことで、万が一の時に備えましょう。

バックアップがあれば、攻撃によってデータが失われた場合でも、復旧することができます。

バックアップは、外部のストレージサービスなどを利用して、WordPressがインストールされているサーバーとは別の場所に保管することが重要です。

プラグインWordFence

WordFenceは、WordPressのセキュリティプラグインです。

WordFenceは、脆弱性スキャニング機能、ファイアウォール機能、マルウェア検出機能などを提供しています。

WordFenceは、無料で利用できるバージョンと、有料のプレミアムバージョンがあります。

プレミアムバージョンでは、より高度なセキュリティ機能を利用することができますが、ひとまず無料の機能だけでも力を発揮します。

こちらの記事で使い方を詳しく解説しています。

まとめ

ポイントまとめ
・脆弱性(ぜいじゃくせい)とは、セキュリティ上の欠陥や穴のこと
・WordPressはユーザーが多く狙われやすい
・最低限のセキュリティ対策は今すぐにやるべき

WordPressの脆弱性を防ぐためには、継続的なセキュリティ対策と最新の情報を常に確認することが不可欠です。

この記事で紹介した方法やツールを活用して、安全なサイト運営を心掛けましょう。

また、セキュリティに関する情報は日々更新されているため、公式ブログやセキュリティニュースサイトなどを定期的にチェックすることが重要です。