「広告運用を始めたものの、思うように成果が上がらない…」そんな課題を抱えていませんか?
成果が出ない原因の多くは、広告のリンク先となるLP(ランディングページ)の設計にあります。
広告の種類やターゲットユーザーの心理に合わせたLPを用意しなければ、広告費を十分に回収できません。
そこで本記事では、
- 広告LPの作り方
- 広告種類ごとの最適化ポイント
- 広告LPの成果を最大化する方法
について詳しく解説します。
既存LPの改善を検討している方にも役立つ内容になっているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
広告LPとは?
広告LPとは、Web広告経由で流入したユーザーを、最終的な成約(コンバージョン)へと導くために設計された専用ページのことです。
広告から訪問するユーザーの心理状態に合わせ、1つの目的に特化している点が大きな特徴です。
広告LPの目的の例
・商品購入
・資料請求
・会員登録
・問い合わせ
これらのゴールに向けて、余計なリンクや情報をできるだけ排除し、最短距離でコンバージョン(CV)を促す設計が求められます。
キャンペーン用LP・商品紹介ページとの違い
広告LPとキャンペーン用LP・商品紹介ページの違いは、広告運用向けに最適化されているかどうかです。
目的や構成の共通点も多くありますが、表にまとめるとその違いが明確になります。
項目 | 広告LP | キャンペーン用LP 商品紹介ページ |
---|---|---|
流入経路 | ・検索広告 ・ディスプレイ広告 ・SNS広告 | ・自然検索 ・SNS ・メルマガ ・広告 |
目的 | 特定のCV(購入・申込)に絞り、短期的成果を狙う | ・サービス理解 ・資料請求 ・会員登録など複数 |
ページ構成 | 広告訴求と連動し、最短で行動につなげる構成 | ブランド理解や詳細情報も重視 |
デザイン | ファーストビューからCTAまで一貫して広告文脈に最適化 | 汎用性があり他の施策にも流用可能 |
改善手法 | 広告効果を見ながらA/Bテスト、LPOを頻繁に実施 | 定期的なSEO対策、コンテンツ更新 |
広告専用のLPが必要な理由
広告をクリックして訪れるユーザーは、すでに商品やサービスに関心を持つ「見込み客」です。
その多くは、情報収集よりも「申し込み」や「購入」といった具体的な行動を求めています。
しかし通常の企業サイトには、会社概要や採用情報など購買行動に直結しないページが多く、目的の導線が複雑になりがちです。
導線が複雑であるがゆえに、ユーザーがサイト内で迷い、離脱されてしまうことも珍しくありません。
広告専用のLPであれば、広告内容と連動した情報だけを提示でき、余計な回遊を防ぎながらユーザーをコンバージョン(CV)へと導けます。
以上の理由から、広告LPは広告運用に欠かせない存在といえます。
広告LPの作り方【基本の10ステップ】
広告LPを作成する際は、目的・ペルソナの設定から効果測定まで、順に進めていくのが効果的です。
ここでは、広告LPの作り方をステップごとに詳しく解説します。
ステップ①目的・KPI設定
広告LPの制作で最初に取り組むべきは、目的(何を達成したいのか)を明確にすることです。
目的の具体例としては、
- 資料請求の獲得
- 無料トライアルの申し込み
- 商品購入
などが挙げられます。
目的が明確になっていないと、訴求ポイントがブレてしまい、ユーザーにとって効果的なLPを制作できません。
ページ構成や訴求ポイントの方向性を正しく定めるためにも、きちんと目的を設定しましょう。
合わせて、目的に基づいたKPI(コンバージョン率や問い合わせ数など)を設定することも大切です。
KPIは、公開後の効果測定や改善施策、ABテストの評価基準として活用できます。
ステップ②ペルソナ設定
続いて、ターゲットとなるユーザー像(ペルソナ)を具体的に設定します。
年齢や性別、職業、興味関心などの基本情報だけでなく、
- 広告経由でLPに訪れた際の心理状態
- ユーザーが抱えている疑問点
まで想定することが大切です。
ペルソナを具体的に設定することで「どの情報をどの順序で見せるか」が明確になり、ユーザーにとって効果的なLPを設計できます。
補足:広告の種類ごとのユーザー心理を理解することも大切
ユーザーの心理や行動は広告媒体によって異なり、同じ商品でも効果的なアプローチが変わります。
そのため、広告の種類ごとのユーザー心理や購買意欲を理解し、それに合わせてページ構成や訴求ポイントを調整することが求められます。
以下の表に、広告種類ごとの特徴とLPに求められる役割をまとめました。
広告種類 | ユーザーの状態 | 見込み客としての特徴 |
---|---|---|
リスティング広告 (検索連動型広告) | 【顕在層】課題やニーズを自覚して検索している | ・購買意欲が高く、成約に直結しやすい ・キーワード次第で情報収集層も含まれる |
ディスプレイ広告 (バナー広告など) | 【潜在層】サイト閲覧中に偶然目にして訪問 | ・購買意欲は明確でないが、興味喚起のきっかけになる ・ブランド認知や再訪誘導に有効 |
SNS広告 (Facebook、Instagram、Xなど) | 【潜在層~準顕在層】 属性・行動データに基づき配信される | ・ニーズを自覚していないが、共感やストーリー性で関心を高めやすい ・即成約より育成に向いている |
ステップ③ページ構成(ワイヤーフレーム)の作成
次に、広告LPの骨格となるページ構成(ワイヤーフレーム)を作成します。
ここで重要なのは、ユーザー心理に沿った情報の流れを意識することです。
広告LPは他のLPに比べてユーザーの滞在時間が短いため、過度に情報を詰め込みすぎず、最短距離でコンバージョンに導く構成を設計するのが理想です。

補足:心理法則を活用するのも効果的
ページ構成を考える際には、「PASONAの法則」や「AIDMAの法則」などの心理法則をフレームワークとして活用するのも効果的です。
PASONAの法則の詳細
PASONAの法則 | 具体例 |
---|---|
Problem(問題提示) | ・ユーザーの悩みや課題を明確にする ・共感しやすい具体的な状況を提示する |
Affinity(親近感/共感を示す) | ・「自分ごと」と感じてもらう文章 ・ターゲットに寄せたストーリーやキャラクター |
Solution(解決策の提示) | ・商品、サービスによる解決策を提示 ・特徴、機能、メリットを順序立てて説明 |
Offer(提案) | ・具体的なオファー内容の提示 ・キャンペーン、限定特典、無料体験など |
Narrowing(限定感) | ・限定性を示す要素(数量・期間など)の提示 ・ユーザーの行動意欲を高める |
Action(行動喚起) | ・CTA設置(問い合わせフォームや購入ボタンを分かりやすく) |
AIDMAの法則の詳細
AIDMAの法則 | 具体例 |
---|---|
Attention(注意) | ・ファーストビュー、キャッチコピー、メインビジュアルで関心を引く |
Interest(興味) | ・課題や状況に共感させる見出し+本文 ・補足的な画像やアイコンで理解を促進 |
Desire(欲求) | ・商品、サービスの魅力を具体的に紹介 ・特徴、メリットを箇条書きやイラストで視覚化 |
Memory(記憶) | ・ユーザーに印象を残す要素 ・比較表、数字での実績提示など |
Action(行動喚起) | ・CTAボタンの設置 ・訴求文や限定感を添える |
これらの法則は、ユーザーがページを読んで行動を起こすまでの心理的プロセスを整理するための指針となります。
ただし、絶対的な正解ではありません。
商材やターゲット特性に合わせて、柔軟に組み替えることが大切です。
ステップ④ファーストビュー・メインビジュアルの作成
続いては、ファーストビュー・メインビジュアルの作成です。
広告LPの成否は、第一印象であるファーストビューに大きく左右されます。
ユーザーが広告から流入した瞬間に「このページは自分に必要な情報だ」と理解できるかどうかが、離脱率に直結します。
そのため、
- メインビジュアルには写真やイラストを活用(商品やサービスの利用シーンをわかりやすく)
- キャッチコピーではベネフィットを端的に伝える
などの工夫をすることが大切です。
ステップ⑤キャッチコピー作成
広告LPのキャッチコピーは、ユーザーの関心を引きつける重要な要素です。
効果的なキャッチコピーを作るためには、ペルソナの悩みや欲求を明確にし、それに沿った訴求ポイントを整理することが欠かせません。
コピーの順序はPASONAの法則やAIDCAの法則を参考にしつつ、実際のユーザー行動データに基づいて柔軟に調整します。
ステップ⑥コンテンツ制作
コンテンツ制作では、ユーザーの信頼と納得を得られるような要素を組み込むことが大切です。
見出しや小見出しは階層化して整理し、ユーザーが必要な情報にすぐアクセスできるように設計しましょう。
また、FAQで疑問を先回りして解消したり、実績や口コミを挿入して信頼性を補強することで、コンバージョン(CV)につなげやすくなります。
ステップ⑦デザインの最適化
コンテンツ制作を終えたら、デザインの最適化を行います。
このとき、特に意識すべきポイントは
- ビジュアル面
- 導線設計
- 情報配置
の3つです。
ポイント | 最適化方法 | ユーザーに与える効果 |
---|---|---|
ビジュアル面 | 色使い、フォントを統一し、ブランドイメージをデザインに反映 | 第一印象を整え、信頼感を高める |
導線設計 | CTAボタンの位置、サイズ、配色を最適化し、視線誘導を設計 | ユーザーを迷わせず、クリック率を向上させる |
情報配置 | 重要情報はファーストビューに、補足情報は下部に配置 | 必要な情報にすぐアクセスできる |
ステップ⑧フォーム設計
コンバージョンの最終地点となるフォームは、入力のしやすさを最優先に設計します。
- 項目数を必要最小限に絞る
- 入力補助やリアルタイムバリデーションを導入する(EFO対策)
などの施策を取り入れることで、ユーザーの離脱率を軽減できます。
また、送信完了後のサンクスページで以下のアクションを促すと、コンバージョン率の向上が期待できます。
サンクスページで促すべきアクションの例
・関連資料やホワイトペーパーのダウンロード
・関連商品やトライアル申し込みへの誘導(クロスセル・アップセル)
・SNSのフォローやシェア
・メルマガ登録
・アンケートやフィードバックの入力
ステップ⑨コーディング・公開
ワイヤーフレームとデザインが固まったら、コーディングと公開作業を行います。
この段階で特に重要なのは、モバイルユーザーへの最適化です。
広告LPはスマートフォン経由のアクセスが多いため、表示速度やタップのしやすさを徹底的に確認する必要があります。
GoogleのPageSpeed Insightsなどを使ってパフォーマンスを測定し、必要に応じて画像・動画の軽量化を行いましょう。
- HTML・CSS・JavaScriptの最適化(読み込み遅延や動作の不具合がないか)
- テキストのサイズや行間の調整
などを行うことも大切です。
ステップ⑩効果測定・改善
広告LPは公開して終わりではありません。
コンバージョン率(CVR)、広告費用対効果(ROAS)、獲得単価(CPA)などの指標をモニタリングし、改善を繰り返すことが成果につながります。
具体的には
- 見出しやファーストビューの差し替え
- CTAボタンの色や配置の調整
など、小さな変更をABテストで検証していくと効果的です。
さらに、Googleが提供する最新のアクセス解析ツール「GA4」や、ヒートマップ、セッション録画ツールなどを用いてユーザ行動を詳細に分析することも欠かせません。
また、アンケートや訪問者データの分析を取り入れることで、定量的な数値だけではわからない改善点も見えてきます。
広告LPの成果を高める4つのポイント
広告LPの成果を高めるために押さえておきたいポイントは、以下の4点です。
- 広告との関連性を高める
- 競合調査で差別化できる要素を把握する
- CTAボタンを最適化する
- コンプライアンスを遵守する
ここからは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
ポイント①広告との関連性を高める
広告LPの成果を最大化するためには、広告クリエイティブとの整合性が不可欠です。
LPの冒頭には広告文のキーワードやイメージを反映し、同じトーンで訴求を展開しましょう。
そうすることで、ユーザーは「広告で見た内容と同じ情報がここにある」と認識でき、安心して次の行動を起こしやすくなります。
広告との整合性が取れないLPはユーザーの混乱を招き、離脱の原因となります。

ポイント②競合調査で差別化できる要素を把握する
広告LPを成功させるためには、競合のLPを分析し、差別化できる要素を明確にすることが欠かせません。
競合を調査することで、ユーザーの悩みやニーズを把握できるほか、自社のLPがどの要素で優位性を示せるかの検討も可能になります。
市場トレンドや価格相場を把握し、情報提示の順序やビジュアル、訴求方法を戦略的に設計することも大切です。
ポイント③CTAボタンを複数配置する
CTAボタンはページ内の要所に複数配置するのが効果的です。
たとえば、
- スクロール途中に「資料請求する」
- ページ下部に「今すぐ登録」
といった具合にCTAボタンを設置することで、ユーザーを逃さず誘導できます。
CTAボタンの文言は、シンプルかつ行動ベネフィットを含むものが望ましいです。
また、広告メッセージとの整合性も意識すると、自然な流れを作れます。
ポイント④コンプライアンスを遵守する
広告LPを運用する際は、法令や業界ガイドラインの確認を徹底しましょう。
消費者保護の観点を常に意識し、
- 広告内容が事実に基づいているか
- 誤解を与える表現がないか
- セキュリティ面の問題はないか
などの点を徹底的にチェックします。
外部に広告運用や代行業務を委託する場合も、上記の点をよく確認し、契約や届出の手続きを確実に行いましょう。
こうした法令やガイドラインの確認を徹底することは単なるリスク回避にとどまらず、長期的なブランド価値やユーザーの信頼獲得にも直結します。
広告の種類に合わせて内容を変える工夫も必要
ユーザーが期待する情報や反応のスピードは、流入元の広告媒体によって異なります。
そのため、広告の種類ごとに構成や訴求内容を調整することが重要です。
リスティング広告の場合
リスティング広告から流入するユーザーは、検索キーワードを入力して「自分の課題を解決したい」と考えている段階にあります。
そのため、LPでは検索キーワードと同じ訴求をファーストビューに配置し、悩みの解決策を即提示することが重要です。
意思決定に必要な情報(競合比較や料金体系など)を早めに提示し、具体的なメリットを数値や事例で補強することも効果的です。
ディスプレイ広告の場合
ディスプレイ広告は、検索意図がはっきりしていない「なんとなく商品に興味を持ち始めた段階」のユーザーが多く流入します。
そのため、アイキャッチや印象的な画像・動画を活用し、サービスの魅力を直感的に伝える構成が効果的です。
短いコピーやキャッチーなビジュアルで興味を引きつけ、スクロール後にサービスの詳細や導入メリットを丁寧に説明する流れを意識すると、理解と行動につながりやすくなります。
SNS広告の場合
SNS広告から流入するユーザーは、情報収集目的ではなく「タイムラインを眺めていた流れ」で訪れることが多いです。
そのため、LPの構成は短時間で理解できるストーリー性のあるものが効果的。
人物の写真やイラスト、動画を活用して共感を得やすい導入を作り、サービスを「自分ごとと」して感じさせる工夫が大切です。
また、SNSの特性を活かし、シェアや口コミにつながるコンテンツを配置することで、二次拡散の効果も期待できます。
広告LPを内製化or外注化するメリット・デメリット
広告LPの制作方法には
- LP作成ツールを使って内製化する方法
- 制作会社に依頼する方法
の2つがあり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社に最適な制作方法を選びましょう。
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
内製化(自社で対応) | ・短期間、低コストで制作可能(テンプレート・無料ツール活用時) ・既存のブランドガイドラインや広告クリエイティブとの整合がとりやすい ・更新、修正、ABテストを迅速に行える | ・デザインやコーディングのスキルが必要 ・制作、改善作業に割くリソースが必要 |
制作会社に依頼 | ・要件定義、制作、公開を一貫して依頼できる ・デザインやコーディングの専門知識が不要 ・運用サポートや改善提案まで任せられることも | ・内製化する場合よりも制作コスト、制作時間がかかる ・制作会社との打ち合わせの手間が発生する |
広告LP作成でよくある質問(FAQ)
まとめ
ポイントまとめ
・広告運用には専用のLPが必要
・広告LPを作る際は、広告クリエイティブとの整合性を意識する
・ユーザー心理に沿ったコンテンツの制作・改善も重要
広告LPは、広告運用の成果を最大化するために欠かせないツールです。
単にLPを作るだけでなく、
- 広告との整合性を意識した設計
- ユーザー心理に沿ったコピー・デザイン
- フォーム最適化
など、実務的なポイントを押さえて制作することが重要です。
ツールを活用して自社で内製化するのか、制作会社に依頼するのかは、LPの目的やリソースに応じて決定しましょう。
自社に合った方法で制作を始めることが、成果につながる一歩になります。
無料のテンプレートやLP作成ツールを活用すれば可能です。
ドラッグ&ドロップ機能やデザインテンプレートを使えば、専門知識がなくても短期間で広告LPを制作・公開できます。
ただし、無料版ではカスタマイズや分析機能が制限されることが多いです。
より多くの機能を使いたい場合は、有料プランや専門ツールの利用をおすすめします。