SEOポイズニングとは何か、危険性と防止策、対策を解説

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執筆者 株式会社カチカ

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SEOポイズニングとは、悪意のある行為者が不正に検索エンジンのアルゴリズムを利用して、有害なwebサイトを、検索結果の上位に表示させる行為のことです。

本記事では、SEOポイズニングの概要、手口、対策、およびその検知方法について詳しく解説します。

この記事でわかること
・SEOポイズニングとは何か
・実際にあった被害例
・防止策と対策

SEOポイズニングとは

SEOポイズニングの概要

SEOポイズニングは、検索エンジンを騙して有害なコンテンツを上位に表示させ、無防備なユーザーを有害なウェブサイトに誘導する詐欺手法です。

「ポイズニング」は英語の「poisoning」(毒を盛ること)から来ています。

偽物のショッピングサイトを上位表示させて詐欺をしたり、マルウェアを仕込んだダウンロードサイトに誘導してコンピュータをウイルス感染させたりします。

インターネットユーザーが日々利用する検索エンジンの仕組みに便乗し、悪意のある者たちは巧妙に罠を仕掛けています。

SEOポイズニングは、検索エンジンのアルゴリズムを悪用して、本来のランキングとは異なる順位にウェブサイトを表示させることを目的としています。

これでは、ユーザーが検索結果から信頼できる情報を得ることが難しくなり、危険なwebサイトにアクセスしてしまうリスクを高めます。なのでGoogleはこれを見逃すわけにはいきません。

SEOポイズニングの目的

SEOポイズニングの主な目的は、個人情報の取得、金銭の詐取、またはマルウェアのインストールです。

つまり、悪意です。

攻撃者は、SEOポイズニングによって、ユーザーを偽のウェブサイトに誘導し、個人情報やクレジットカード情報などの機密情報を盗み取ろうとします。

また、マルウェアをダウンロードさせたり、フィッシング詐欺に誘い込むなど、様々な悪意のある目的で利用されます。

SEOポイズニングは、単発の攻撃ではなく、組織的な犯罪に利用されるケースも少なくありません。

犯罪者は、盗み取った情報を使って金銭を奪ったり、別の犯罪に悪用したりします。

また、マルウェアに感染したコンピュータを遠隔操作して、ボットネットと呼ばれるネットワークを構築し、サイバー攻撃などに悪用することもあります。

SEOポイズニングの仕組み

ブラックハットSEOの手口

ブラックハットSEOでは、不正な手段を使って検索エンジンのランキングを操作しようとします。

SEOポイズニングは、ブラックハットSEOの一種です。

ブラックハットSEOの手口には、以下のようなものがあります。

・キーワード詰め込み
・リンクファーミング
・クローキング
・スパンニング
・ドメインハッキング
・隠しテキスト
・メタタグの不正利用
・自動生成コンテンツ
・スパムコメント
・ソーシャルメディアスパム

これらの手法は、検索エンジンのアルゴリズムを欺き、不正にランキングを操作することを目的としています。

下記で簡単に説明します。

キーワード詰め込み:webサイトのコンテンツに、関連性の低いキーワードを過剰に詰め込む手法。
リンクファーミング:不正な方法で、webサイトへのリンク数を増やす手法。
クローキング:検索エンジンとユーザーに、異なるコンテンツを表示する手法。
スパンニング:大量の低品質なwebサイトを作成し、検索エンジンのランキングを操作する手法
ドメインハッキング:有名企業や組織のドメイン名に似たドメインを取得し、悪用する手法
隠しテキスト:背景色と同じ色のテキストを配置するなどして、ユーザーには見えないようにキーワードを埋め込む手法
メタタグの不正利用:メタタグに、不適切なキーワードや説明文を記述する手法
自動生成コンテンツ:ツールを使って、意味性のない文章を自動生成し、webサイトに掲載する手法
スパムコメント:ブログやフォーラムなどに、大量のスパムコメントを投稿する手法
ソーシャルメディアスパム:ソーシャルメディアで、大量のスパムメッセージを送信したり、偽アカウントを作成したりする手法

検索エンジンのアルゴリズムは日々進化しており、不正な手法は検知されやすくなっています。

しかしそれでも、SEOポイズニングを行う者は、より巧妙な手法を用いて、検知を逃れようとしていますので、注意が必要です。

実際にあったSEOポイズニング

実際にあったSEOポイズニング例として、特定のイベントを利用したものがあります。

例えば、人気のあるイベントや話題になっているニュースに関連するキーワードを悪用して、ユーザーを偽のwebサイトに誘導するキャンペーンが報告されています。

これらのキャンペーンでは、ユーザーの関心を集めるために、魅力的なタイトルや画像を使用し、クリックを誘導する手法が用いられます。

具体的な例で言うと、2020年に世界中で流行した新型コロナウイルスに関する情報を探しているユーザーを狙ったSEOポイズニングが横行しました。

攻撃者は、コロナウイルスに関するキーワードを悪用し、偽の医療情報サイトやマスク販売サイトに誘導して、金銭を騙し取ったり、個人情報を盗み取ったりしました。

また、2022年には、ロシアによるウクライナ侵攻に関する情報を探しているユーザーを狙ったSEOポイズニングも確認されています。

このケースでは、攻撃者は、ウクライナからの避難情報や支援活動に関するキーワードを悪用し、偽の慈善団体サイトやニュースサイトに誘導して、寄付金詐欺や情報操作を行いました。

影響を受けたサイトとその特徴

ポイズニングされたサイトは、フィッシング詐欺やマルウェア配布のために使われます。

これらのサイトは、本物のウェブサイトに似せて作られており、ユーザーは簡単に騙されてしまう可能性があります。

自分は騙されないと思っていても、信頼できる人から紹介(その人も騙されている)されたwebページだったりとか、時間に追われている時とか、条件が重なればITリテラシーの高いあなたも騙されることがあります。

ポイズニングされたサイトの特徴としては、以下のようなものがあります。

不自然なドメイン名:本物のウェブサイトとは異なる、不自然なドメイン名を使用している。
怪しいコンテンツ:誤った情報や不自然な日本語が掲載されている。
誤字脱字が多い:コンテンツに、誤字脱字や文法的な誤りが多い。
リンク先のウェブサイトが信頼できない:クリックすると、危険なウェブサイトに誘導されるリンクが貼られている。
連絡先情報が不明確:運営者や連絡先の情報が掲載されていない、または偽の情報が掲載されている。

これらの特徴に心当たりがある場合は、注意が必要です。

安易にアクセスしたり、個人情報を入力したりしないようにしましょう。

SEOポイズニングの検知方法

異常な検索結果の見極め

違和感を感じる検索結果に注意しましょう。

検索結果に、関連性の低いwebサイトや、同じキーワードが過剰に繰り返されているwebサイトが表示されている場合は、SEOポイズニングの可能性があります。

また、webサイトのコンテンツが、検索キーワードと一致していない場合も、注意が必要です。

例えば、旅行に関する情報を検索したのに、全く関係のない金融商品の広告が表示される場合や、特定の商品名で検索したのに、公式ウェブサイトとは異なる、見たことのないウェブサイトが上位に表示される場合などは、SEOポイズニングを疑った方が良いでしょう。

また、ウェブサイトのURLが、不自然に長い文字列であったり、意味不明な文字列が含まれていたりする場合も、注意が必要です。

セキュリティツールの活用

セキュリティツールは、潜在的な脅威を検知しやすくします。

セキュリティツールは、ウェブサイトのセキュリティ状況を監視し、潜在的な脅威を検知するのに役立ちます。

また、マルウェアやフィッシング詐欺からユーザーを保護する機能も備えています。

例えば、ウイルス対策ソフトやファイアウォールは、悪意のあるプログラムの侵入を防ぎ、フィッシング対策ソフトは、偽のウェブサイトへのアクセスをブロックします。

これらのセキュリティツールは、常に最新の状態に保つことが重要です。

なぜなら、攻撃者は常に新しい手法を開発しており、古いセキュリティツールでは、最新の脅威に対応できない可能性があるからです。

ユーザートレーニングと教育

会社の従業員に対して、セキュリティ意識を高める教育を行いましょう。

SEOポイズニングの危険性や対策方法について教育することで、セキュリティ意識を高めることができます。

疑わしいwebサイトへのアクセスを控えるよう指導することも重要です。

社内研修を定期的に開催しても良いでしょう。SEOポイズニングの最新の手口や対策方法について、従業員やユーザーに周知徹底することが重要です。

社内ポータルサイトなどに、SEOポイズニングに関する注意喚起の資料を掲載したりしても良いかもしれません。定期的に注意喚起のメールを送信したりするのも効果的です。

SEOポイズニングから身を守る対策

常に疑う

今見ているサイトが怪しくないか、定期的にサイトの状況を確認し、異常を早期に発見することが重要です。

違和感を感じたら、まずは怪しいサイトでないか疑いましょう。

もし、SEOポイズニングが判明した場合には、速やかに検索エンジンに報告しましょう。

セキュリティツールの導入

信頼性の高いセキュリティソフトを利用して、マルウェアやフィッシングの脅威から保護しましょう。

セキュリティソフトは、マルウェアの検知はもちろん、保護するのに役立ちます。

また、webサイトのセキュリティ状況を監視し、潜在的な脅威を検知する機能も備えています。

セキュリティソフトは、OSやブラウザなどのソフトウェアと連携して動作し、リアルタイムで脅威を検知・ブロックします。

また、定期的にシステム全体をスキャンし、潜在的な脅威を検出する機能も備えています。

セキュリティソフトを選ぶ際には、その性能や機能だけでなく、サポート体制や料金体系なども考慮して、総合的に判断することが重要です。

SEOポイズニング被害時の対処法

ウイルス対策ソフトの起動

ウイルス対策ソフトをすぐに起動して、システム全体をスキャンしましょう。

ウイルス対策ソフトは、マルウェアやウイルスを検知し、駆除するのに役立ちます。

被害が確認された場合は、速やかにウイルス対策ソフトを起動して、システム全体をスキャンしましょう。

最新のウイルス定義ファイルに更新してからスキャンを実行することで、より高い精度でマルウェアを検知・駆除することができます。

スキャンが完了したら、検出された脅威を隔離または削除します。

脅威の種類によっては、手動で削除する必要がある場合があります。

ウイルス対策ソフトのマニュアルを参照するか、専門業者に相談してください。

パスワードの即時変更

被害が確認された場合、速やかに全てのパスワードを変更することを推奨します。

SEOポイズニングによって、ユーザーのアカウント情報が盗み取られる可能性があります。

パスワードは、推測されにくい、英数字と記号を組み合わせた複雑なものに変更しましょう。

また、他のサービスで使い回しているパスワードは、同じものを使用しないようにしましょう。

また、パスワードは定期的に変更するべきです。

定期的にパスワードを変更することで、パスワード漏洩のリスクを低減することができます。

追加のセキュリティ対策

二段階認証の設定や他のセキュリティ手段を取り入れることで、被害を最小限に抑えることができます。

二段階認証は、アカウントへの不正アクセスを防ぐ効果的な手段です。

また、セキュリティ対策ソフトの導入や、定期的なセキュリティアップデートを行うことも重要です。

二段階認証は、パスワード認証に加えて、スマートフォンなどに送信されるワンタイムパスワードを入力することで、本人確認を行うセキュリティ対策です。

はっきり言ってログインが面倒くさくなりますが、セキュリティ的にはとても重要ですのでやっておいた方が断然良いです。

これにより、万が一パスワードが漏洩した場合でも、アカウントへの不正アクセスを防ぐことができます。

セキュリティ対策ソフトは、ウイルス対策ソフトやファイアウォールなど、様々な種類があります。自分の利用環境やセキュリティレベルに合わせて、適切なソフトを導入しましょう。

まとめ:SEOポイズニングのリスク管理

ポイントまとめ
・SEOポイズニングとは、有害なコンテンツを上位表示させて、無防備なユーザーを有害なwebサイトに誘導する詐欺手法
・ブラックハットSEOの種類は多く、知っているだけで被害の予防になるので知っておくべき
・違和感を感じたらまず疑う
・自分だけではなく、会社の従業員にも教育することが必要

SEOポイズニングの基本的な知識と対策を理解することで、インターネット上のリスクを低減できます。

日常的に注意を払い、違和感を感じたらまずは疑うクセをつけましょう。