SEO対策に取り組む人にとって、常に注目するべきなのがGoogleの「コアアップデート」です。
コアアップデートは通常のアルゴリズム更新とは異なります。
日々少しずつ調整されているアルゴリズム更新とは違い、コアアップデートは検索結果に大きな影響を与えるものです。
コアアップデートの内容次第では、ランキングが大きく変動したり、今までのSEO対策が通用しなくなることもあります。
この記事では、そんなコアアップデートの概要と対策を解説していきます。
目次
コアアップデートとは?
Googleのコアアップデートとは、「コアアルゴリズムアップデート」の略称です。
文字通り、検索アルゴリズムの中核部分(コア)に対して行う大規模なアップデートを指します。
コアアップデートは年に2~4回程度、Googleが公式に事前告知した後に実施されるもので、アルゴリズム更新より広範囲に影響を及ぼすものです。
このコアアップデートの目的はGoogleが目指す、よりよい検索結果を表示することです。
具体的には、
- 検索に最も関連性が高い
- ユーザーが満足する
- 質の高いコンテンツ
などの項目を満たすサイトを適切に評価することを目標にしています。
コアアップデートがSEOに与える影響
コアアップデートはSEOに大きな影響を与えます。
では、実際どのような影響があるのでしょうか。
以下に具体的な影響例を4つ挙げていきます。
検索ランキングの大幅な変動
これまで評価されていたサイトの順位が大きく下がる可能性があります。
逆に順位が急上昇するサイトもあります。
コアアップデートで評価基準が変わるため、新しい評価が各サイトに適用されるため起きる現象です。
トラフィック(アクセス数)の増減
検索順位が変わることにより、アクセス数にも影響が出ます。
順位が上がったサイトはアクセス数が増え、順位が下がったサイトはアクセス数が下がります。
当たり前のことのように思えますが、アクセス数が下がったサイトは対応が必要になってくるのです。
ビジネス成果への影響
アクセス数が変動するということは、サイトのビジネス効果にも直結します。
問い合わせ・資料請求・商品購入などの、webサイトから発生する物事に影響するのです。
そのため、コアアップデートの影響はサイトの収益にも関係します。
ウェブサイトの品質と信頼性の再評価
コアアップデートは「E-E-A-T」を厳しく評価する傾向があります。
E-E-A-Tとは、経験・専門性・権威性・信頼性のことです。
普段のSEO対策でも重要視されるポイントですが、ウェブサイト全体への再評価が入ることにより順位が変動することがあります。
コアアップデートの対策:Googleが重視する4つのポイント
では、コアアップデートの対策について具体的な対策はあるのかと言う話に移ります。
対策として、残念ながら「これをやれば順位が上がる」というようなテクニックはありません。
ですが、Googleは「ユーザーにとって本当に価値のあるコンテンツを提供すること」を重要視していることを発表しています。
具体的に重視しているのは、特に以下の4つのポイントです。
E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)の向上
E-E-A-Tとは以下の4つの要素を指します。
| 要素 | 英語表記 | ポイント |
|---|---|---|
| 経験 | Experience | コンテンツを作る人物が、実際にその内容を体験しているかどうかと言う一次情報を重視 |
| 専門性 | Expertise | 書かれているコンテンツの分野の専門的知識を持つ人物による情報かを重視 |
| 権威性 | Authoritativeness | その分野での認知度が高い人物が作成しているコンテンツかを重視 |
| 信頼性 | Trustworthiness | コンテンツの正確さ・信頼性・安全性を重視 |
この要素を高めるためにどうしたらいいかと悩むかもしれません。
例えば、
- 経験は「紹介する商品を実際に試してみる」
- 専門性は「関連する資格をとる」
- 権威性は「認知度が高い人物や企業の監修を受ける」
- 信頼性は「コンテンツを定期的に更新して最新の情報を載せる」
などが挙げられます。
E-E-A-Tは特に医療・金融・法律などのYMYLと言われる分野で厳しく確認されるので、この分野に取り組むのなら工夫が必要です。
ユーザーファーストなコンテンツ作成
ユーザーのことを一番に考えたコンテンツはSEOでも重要とされています。
高評価を受けるユーザーファーストなコンテンツの例を挙げていきます。
- 検索意図を理解し、ユーザーの求めている情報を網羅している
- 他のサイトと差別化し、具体例などを載せるオリジナリティがある
- 見出しや箇条書き、太字、画像や表などを利用していて読みやすい
- 最新の情報が載っている、定期的に更新や加筆修正を行っている
どうすればいいのか迷ったら、ユーザーにとって必要でわかりやすいサイトになっているかを最優先にして考えてみるといいでしょう。
ユーザーエクスペリエンス(UX)の改善
UXとはユーザーがサービスを利用中に受けた体験のことを指します。
ユーザーが利用するうえで快適な状態を維持し向上させるのは、SEO的にも重要視されているのです。
また、UXを重要視することをSXO(検索体験最適化)と言います。
SXOとSEOは現在のGoogleでは切り離せないものとなっているのです。
UXを改善するために以下のような対策を考える必要があります。
| 対策 | 具体的な内容 |
|---|---|
| モバイルフレンドリー | スマートフォンなどで快適に閲覧できるデザインと操作性を整える |
| 表示速度の高速化 | ページの読み込み速度を改善。画像の最適化やキャッシュの活用などを行う |
| コアウェブバイタルへの対応 | Googleが定める指標(LCP=表示速度、FID=反応速度、CLS=レイアウトのズレ)を改善 |
| 広告の過剰表示の抑制 | 過剰な広告を避け、ユーザーが読みたいコンテンツの邪魔にならないよう配置する |
技術的なSEOの健全性
技術的なSEOもサイトの順位をあげるためには必要とされます。
こちらの技術的なSEOは、UXをあげる対人の技術とは違い、検索エンジンに対しての対機械の技術となります。
例えば、検索エンジンのクローラーがサイトを巡回しやすくするための技術的なSEO対策、サイトのセキュリティ強化のためにHTTPS化する、などが挙げられます。
コアアップデート後の対応
では、コアアップデートでサイトの検索順位が下がった時はどうすればいいか、疑問を持つ人もいるでしょう。
先に結論を言うと、コアアップデートでの影響は数週間から数ヶ月にわたって反映されることがあるので、焦って中途半端な対策をするのは逆効果です。
では、なにを対策するべきなのかわからないと思うかもしれません。
コアアップデートで順位が下がった際の対応について順を追って説明していきます。
①Googleの公式アナウンスを確認
まずは落ち着いて、Googleの公式アナウンスを確認しましょう。
Googleはコアアップデートの目的や重点的に変更された点を、公式ブログやX(旧Twitter)で発表しています。
そしてその情報をもとに、アクセス解析ツールを使ってどのページやどのキーワードが影響を受けたのかを解析します。
②競合サイトの確認
次に、順位が上がった競合サイトのコンテンツや特徴も確認しておきましょう。
順位が上がったサイトは新しいコアアップデートの評価基準を満たしているということになります。
自分のサイトと比べることで、今後の順位を上げるのに必要な要素が見えてきます。
③必要な箇所を改善
競合サイトを確認し、必要な改善点がわかったら、ユーザーの視点に立って価値があると思えるようなサイトにしていきましょう。
ここまで読んで、改善することが多くて対応に時間がかかると思うかもしれません。
ですが、短期的な改善ではなく長期的な視野を持って改善することで、Googleが推奨するコンテンツに近づくので、結果的に毎回のコアアップデートに慌てる必要がなくなるのです。
最新のコアアップデート情報(2025年7月4日現在)
2025年6月30日ごろ、Googleは新しいコアアップデートを開始しました。
その前のコアアップデートは2025年3月です。
6月のアップデートは最大3週間かけて実施される予定で、サイトの順位変動が注目されています。
現時点ではGoogleのアナウンスによると、特別なコアアップデートではなく今まで通りのものだと発表されています。
そのため、「ユーザーの検索に最も関連性が高い満足する質の高いコンテンツをより表示する」と言うGoogleの目標を満たすサイト作りがよりいっそう求められるのです。
まとめ
ポイントまとめ
・短期的な改善ではなく長期的な改善を目標にする
・ユーザーファーストを大切にする
・高品質で信頼性の高いコンテンツが必要
Googleが目指すのは、ユーザーの最高の検索体験と質の高いコンテンツです。
そのため、SEOの基本を忘れないようにして対策することが必要です。
SEO対策の技術は時間によって変わりますが、SEOの本質を考えながら対応することでどのようなコアアップデートが来てもサイトの価値は下がることはありません。
コアアップデートでサイトの順位が下がった時は、短期的な技術だけではなくユーザーのことを考えるサイト作りを心がけて長期的なSEO対策を考えましょう。











