「LP(ランディングページ)を改善したいけど、どこを改善すればいいかわからない…」
「アクセスは集まっているのに、なぜコンバージョンに結びつかない…」
LPの改善業務において、上記のような悩みを抱える方は多いと思います。
そんな悩みを解決するツールとしておすすめなのが、ユーザーの行動を可視化できる「ヒートマップ」です。
今回は、LP改善におけるヒートマップツールの必要性や、具体的な活用方法、目的別の分析ポイントについて徹底解説します。
おすすめのヒートマップツールも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
LP改善におけるヒートマップの必要性
LP(ランディングページ)改善におけるヒートマップの必要性は、データに基づいた精度の高い改善施策を実施できることにあります。
・時間と予算をかけてLPを作ったのに思い通りの成果が出ない
・ABテストを繰り返してもコンバージョン率が改善しない
このような状況の改善を目指す場合、ただ闇雲にLPの要素を変更しても効果は発揮できません。
そこで活躍するのがヒートマップです。
ヒートマップを使えば、ユーザーがLP内のどこに注目し、どこで離脱しているのかが一目でわかります。
アクセス解析の数値だけでは見えなかった「ユーザーの細やかな行動」をデータとして把握することで、勘や経験に頼ることなく効率的にLPを改善できるのです。
ヒートマップの種類と機能
ヒートマップにはいくつかの種類があり、LP(ランディングページ)の課題を多角的に可視化することが可能です。
ここでは、LP改善に役立つ代表的なヒートマップの種類と機能について解説します。
クリックヒートマップ
クリックヒートマップは、LP上でユーザーがクリックした箇所を可視化できるツールです。
クリック数が多い箇所は赤色、少ない箇所は緑色や青色で表示され、
- CTAボタンやリンクが適切にクリックされているか
- 誤クリックが発生していないか
などの要素を見極めるための重要な手掛かりとなります。
コンテンツの訴求力や、導線設計の課題の洗い出しに役立つ機能です。
タッチアクションヒートマップ
タッチアクションヒートマップは、スマホやタブレット端末を使用しているユーザーの動作を可視化できるツールです。
タッチアクションヒートマップで可視化できる動作
・タップ
・スワイプ
・ピンチイン(拡大)
・ピンチアウト(縮小)
ユーザーがどこをタップしたか、どこで拡大・縮小しているかを可視化することで、モバイル特有の操作感やUXの課題を見つけやすくなります。
アテンションヒートマップ
アテンションヒートマップは、ユーザーの視線や閲覧時間の長さを可視化できるツールです。
閲覧時間が長いエリアは赤色、短いエリアは青色で表示され、ユーザーが興味関心を持っているコンテンツを把握できます。
それだけでなく、
- 訴求したいメッセージがきちんと届いているか
- ファーストビューでどの程度ユーザーの興味を引けているか
などを検証することも可能です。
訴求力のあるデザインの作成や、キャッチコピーの見直しにも役立ちます。
スクロールヒートマップ
スクロールヒートマップは、ユーザーがページをどれくらいスクロールしたかを可視化できるツールです。
よくスクロールされている(読まれている)エリアとスクロールされていない(離脱されている)エリアが、暖色~寒色のグラデーションで表示されます。
これは、ページ全体のコンテンツの読了率や離脱ポイントの把握に役立つ機能です。
また「読まれていない領域」を特定することで、LPの構成や、CTAボタンの配置の見直しが容易になります。
ヒートマップを活用したLPの改善方法
ヒートマップにはさまざまな機能がありますが、導入しただけではLP(ランディングページ)を改善することはできません。
重要なのは、ヒートマップによって可視化されたユーザーの行動データを正しく分析し、具体的な改善施策に繋げることです。
ここからは、ヒートマップを活用したLPの改善方法について解説します。
①LPの課題を見える化する
最初に行うべきは、現状のLPに潜む課題を見える化することです。
複数のヒートマップとアクセス解析を用いてユーザーの行動データを収集し、数値として現れる問題点をピックアップします。
問題点の例
・離脱率が高い
・コンバージョン率が低い
・CTAボタンがクリックされていない など
クリック箇所の偏りや注目度が極端に低い領域などもチェックし、問題点がないか確認しておきましょう。
②仮説を立てる
次は、ユーザーの行動に関する仮説を立てます。
というように、ユーザー視点を考慮した仮説を立ててみましょう。
この段階では、UIだけでなくキャッチコピーやコンテンツ構成なども含め、幅広い視野で原因を探ることが重要です。
数字の裏にあるユーザー心理を想像しながら仮説を立てることが、よりよいLP改善に繋がります。
③仮説を検証する
仮説を立てたら、A/Bテストでその仮説が妥当かどうかを検証します。
仮説に基づいた要素を含むLPを複数パターン作成し、ヒートマップでクリック率や離脱ポイントの変化を確かめましょう。
複数のヒートマップを組み合わせて検証することで、より精度の高い改善プランが見えてきます。
検証の際は、単なる色の強弱にとどまらず「どのユーザーが、どのデバイスで、どのような流れで行動したのか」という点に着目することが大切です。
④改善施策の実行と効果測定を行う
続いては、ヒートマップ分析のデータやA/Bテストの結果をもとに、具体的な改善施策を実行します。
・CTAボタンの位置やデザインを変える
・ファーストビューの構成をシンプルにする
・スマホでの操作性を改善する
・重要な情報の配置を見直す
ここで大切なのは、施策の目的を明確にしておくこと。
「どの指標を改善したいのか」をあらかじめ設定しておくことで、効果的な改善施策を実行できます。
改善施策を実行した後は、必ず効果測定を行いましょう。
ヒートマップを継続的に確認し、ユーザーの行動がどう変化したかを測定することで、施策の有効性を客観的に判断できます。
⑤PDCAサイクルを回す
市場やユーザーのニーズが常に変化する中で効率的にLPを最適化するには、PDCAサイクルを回し続けることが重要です。
「一通り改善して終わり」ではなく、定期的にヒートマップの分析データを習得し、仮説を立て、改善施策を実行することを心がけましょう。
ヒートマップツールを使って得られたデータを基にPDCAサイクルを回し、さらに精度の高いLPを作り上げていくことが、最終的なコンバージョン率の向上に繋がります。
【目的別】LPのヒートマップ分析で注目すべきポイント
LP(ランディングページ)のヒートマップ分析で注目すべきポイントは、LPの目的によって異なります。
ここからは、
- 広告・SNSからの集客を目的とする場合
- コンバージョン(CV)を目的とする場合
- 自社のサービス紹介を目的とする場合
の3つに分けて、ヒートマップ分析で注目すべきポイントを解説します。
広告・SNSからの集客を目的とする場合
広告やSNSからの集客を目的とするLPは、最初の数秒が勝負です。
ヒートマップ分析では、アテンションヒートマップを活用して「ファーストビューでユーザーを惹きつけられているか」を確認しましょう。
最初の数秒でユーザーの心を掴めなければ、すぐにLPから離脱されてしまいます。
万が一、ユーザーの視線を捉えられていない場合は、キャッチコピーやデザインの再設計が必要です。
コンバージョン(CV)を目的とする場合
コンバージョンを目的とする場合は「ユーザーがCTAボタンの直前でどんな動きをしているのか」という点に注目しましょう。
スクロールヒートマップでCTAボタンまでの到達率を確認し、アテンションヒートマップで訴求ポイントがしっかり読まれているかを分析します。
CTAボタンの直前で多くのユーザーが離脱している場合、
- 価格が分かりづらい
- ベネフィットが伝わってこない
- この情報だけでは信用できない
といったユーザーの不安や疑念が残っている可能性も。
ヒートマップ分析で得たデータを元に、コンバージョンに直結する行動を妨げている原因を明確にし、LPを改善していくことが大切です。
自社のサービス紹介を目的とする場合
自社のサービス紹介を目的とするLPでは、
- 自社製品に関するコンテンツをきちんと読んでもらえているか
- 重要な情報がしっかりと伝わっているか
が重要な評価ポイントになります。
アテンションヒートマップで「コンテンツが熟読されているか」を確認し、もし読まれていない場合は、LPの構成や表現方法を見直しましょう。
また「どのコンテンツが特に注目されているか」を分析し、その情報をさらに強調する方法を考えることも大切です。
スクロールヒートマップでは「コンテンツ全体がどの程度読まれているか」をチェックします。
途中離脱が多い場合は、コンテンツの長さを調整したり、途中に興味を引く要素を追加したりするなどの対策を検討しましょう。
こうした分析を通じて、読み手の知りたい情報に自然と導くようなストーリー設計を構築することで「この会社は信頼できそうだ」「このサービスを検討してみよう」といったポジティブな印象を残すことができます。
LP改善におすすめのヒートマップツール5選
ヒートマップはLP(ランディングページ)の改善に欠かせないツールですが「たくさんの種類があってどれを選べばいいかわからない」という方もいるでしょう。
そこでここからは、LP改善におすすめのヒートマップツールを5つ紹介します。
各ツールの料金プランについても表にまとめていますので、比較検討の参考にしてください。
Mouseflow(マウスフロー)

Mouseflow(マウスフロー)は、ユーザーのセッションを録画・再生できる「レコーディング機能」が特徴の高機能ヒートマップツールです。
マウスの動きやクリックだけでなく、スクロール、フォーム離脱、コンバージョンファネルまで細かく分析が可能。
ユーザーがどこで迷い、どこで離脱しているのかを直感的に把握できます。
具体的なUI/UXの課題を抽出するのに適しているため、複雑な入力フォームや長尺LPの改善を検討している方におすすめです。
日本語対応のインターフェースとサポート体制が整っており、導入ハードルが低いのも魅力といえるでしょう。
料金プラン
プラン | 料金 |
---|---|
ベーシック | 月額0円~ |
サポート PLUS | 月額20,000円~ |
データ・コンサル PLUS | 要問合せ |
Ptengine(ピーティーエンジン)

Ptengine(ピーティーエンジン)は、ヒートマップとアクセス解析を一体化したオールインワン解析ツールです。
クリックやスクロールの可視化にとどまらず、ノーコードでのA/Bテスト機能や、パーソナライズ配信機能などを搭載。
さらに、ユーザーセグメントごとの動きを比較できる「セグメントヒートマップ」は、訪問者属性に応じたUI改善を行いたい企業にとって非常に有効です。
中〜大規模サイトのマーケティング担当者にとって、戦略的なPDCAを回す上で欠かせない存在といえるでしょう。
1行のタグを設置するだけで利用できる手軽さも魅力です。
料金プラン
プラン | 料金 |
---|---|
Insight | ・~3,000PV:無料 ・3,000PV~:月額4,980円~ ・50万PV〜数億PV:要問合せ |
Experience | ・~3,000PV:無料 ・3,000PV~:月額7,980円~ ・50万PV〜数億PV:要問合せ |
Bundle Pack | ・~3,000PV:無料 ・3,000PV~:月額9,980円~ ・50万PV〜数億PV:要問合せ |
UserHeat(ユーザーヒート)

UserHeat(ユーザーヒート)は、株式会社ユーザーローカルが提供する完全無料のヒートマップツールです。
クリックヒートマップを始め、熟読エリアと終了エリアの可視化が可能など、分析に必要な基本機能が揃っています。
無料で利用可能でありながら、スマートフォンやタブレットにも対応している点も大きな魅力。
初めてヒートマップを試してみたい方や、個人ブログ・中小規模のLPを運営している方におすすめです。
料金プラン
無料
ミエルカヒートマップ

引用元:ミエルカヒートマップ
ミエルカヒートマップは、SEO支援ツール「ミエルカ」の一機能として提供されているヒートマップツールです。
LP改善に必要な機能がすべて搭載されており、AIを使った課題点の洗い出しも可能。
AIが自動で改善点を提案してくれるので、効率よく分析作業を進められます。
また、ミエルカ本体との連携によりSEO観点での改善も並行して進められるため、集客と成果の両立を図る企業にとって理想的なツールです。
BtoB、BtoC問わず、コンテンツ主導でCV率を高めたい場合に強力な味方となるでしょう。
料金プラン
要問合せ
Clarity(クラリティ)

引用元:Clarity(クラリティ)
Clarity(クラリティ)は、Microsoftが提供する無料のヒートマップ&ユーザー行動解析ツールです。
Clarity(クラリティ)の最大の特徴は、AIによる「異常検出機能」。
ラゲットクリックなどのユーザーの混乱を招く操作を自動的に検出し、課題箇所を浮き彫りにしてくれます。
無料でありながら高機能なツールのため、費用を抑えつつユーザーの心理を理解したい方におすすめです。
料金プラン
無料
まとめ
ポイントまとめ
・ヒートマップはより精度の高い改善施策を実施するために欠かせないツール
・クリックヒートマップやアテンションヒートマップなど目的に合わせて使い分けることが大切
・ヒートマップで課題を見える化したら、必ず仮説を立てて検証すること
ヒートマップはLP(ランディングページ)の課題を可視化し、コンバージョン率向上への道筋を示してくれる強力な武器です。
数値データだけでは見えなかったユーザーの行動や心理を理解することで、より効果的な改善施策を実行できるようになります。
ヒートマップツールを導入し、LPを「売れるページ」に改善していきましょう。
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