工務店のHPリニューアル、デザインを変えるだけで終わっていませんか?
現代は施主側の情報収集の仕方が変化しており、HP単体のリニューアルでは成果が出にくい時代です。
その中で成果を出すためには、SNSや動画、Web広告との連携設計が欠かせません。
そこでこの記事では、工務店のHPリニューアルで成果が出ない原因や、成果を出すための設計ポイントについて解説します。
目次
工務店のHPリニューアルで成果が出ない3つの原因
時間や費用をかけたからといって、必ずしも集客力のあるサイトになるとは限らないのが、工務店のHPリニューアルの難しいところです。
一般的に工務店のHPリニューアルには、最低でも3ヶ月以上の期間と、100万円以上ほどの費用がかかります。
これほどのコストを投じたにもかかわらず成果が出ないHPには、共通する3つの原因があります。
デザイン刷新だけで導線設計をしていない
1つめの原因は、「とにかく格好いいサイトにしたい」「競合に負けない洗練されたデザインにしたい」という、見た目の刷新だけを目的にしてしまうことです。
どんなにHPの見た目がよくても、資料請求や見学会予約への導線設計が伴っていなければ、ユーザーは次にどこをクリックすればいいのか分からず離脱してしまいます。
HPだけで完結しようとしている(SNS・動画との連携なし)
施主の多くは、HPの公式情報だけでなく、SNSや動画を使って情報を集めます。
そのため、HPだけで完結しようとすると、せっかくの集客チャンスを逃しかねません。
また、検索エンジン(SEO)だけに頼ってHPを孤立させてしまうと、数ある競合のなかに埋もれて自社の存在を知ってもらえなくなる恐れもあります。
ターゲット顧客の行動変化に対応できていない
かつての施主の情報収集手段は、「まずは住宅展示場へ行く」「新聞広告やチラシを見る」といったものでした。
しかし現代では、インターネットを使った情報収集が主流です。

引用元:国土交通省 住宅局「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」
国土交通省の「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」によれば、注文住宅取得世帯のうち、インターネットで情報収集を行う割合は78.6%。
約8割のユーザーが、住宅展示場で担当者と会う前にネット上の情報だけで「候補に入れるかどうか」を選別しているのが実情です。
このようなターゲット顧客の行動変化に対応せず、展示場頼みの集客方法のままHPをリニューアルしても、成果は出にくいでしょう。
成果を出すHPリニューアル 5つの設計ポイント
工務店のHPリニューアルで成果を出すには、見た目の美しさ以上に「集客の仕組みを整えること」が重要です。
見込み顧客を確実に獲得するための5つの設計ポイントを解説します。
① ゴール設計:「問合せ数」「資料請求数」など数値目標を先に決める
ゴール設計が曖昧なままHPリニューアルを進めると、必要なページや強化すべき導線の判断基準がブレて「見た目がよいだけで誰も集まらないサイト」になってしまいます。
そのため、事前に問い合わせ数や資料請求数などの数値目標(ゴール)を決めておくことが重要です。
「月間の資料請求数〇件」「モデルハウス来場予約〇件」といった目標が決まったら、目標達成のために必要なアクセス数(PV)や成約率(CVR)を逆算します。
このデータは、HP全体のレイアウトやボタンの位置を決める重要な根拠になります。
② 導線設計:トップ→施工事例→問合せの「黄金導線」
多くのアクセス解析データにおいて、住宅検討者の直帰率がもっとも低く、回遊率が高いページは「施工事例」です。
トップページ→施工事例→問合せフォームという黄金導線を用意することで、HP内での機会損失(ユーザーの離脱)を防ぎやすくなります。
- トップページ上部やファーストビューに「施工事例一覧」のボタンを設置する
- 各施工事例の詳細ページの最後に「家づくりを詳しく知りたい方へ」といった文言を記載する
- 「資料請求」「個別相談会予約」のボタンをセットで設置する
上記のような工夫を取り入れ、ユーザーが事例を見て「こんな家に住みたい」と気持ちが高まった瞬間に、次の行動へ移れる仕組みを作ることがポイントです。
③ SNS連携:Instagram施工事例ギャラリーからHPへの送客設計
Instagramは自社の認知を広げる最高の接点になりますが、坪単価や標準仕様などの詳細までは伝えきれません。
そこで重要なのが、Instagramの施工事例ギャラリーから公式HPへの送客設計です。
具体的には、Instagramの投稿やリール動画のキャプション(本文)に、「この家の間取りや坪単価はプロフィールのリンクから」といった案内を記載します。
このとき、リンク先はHPのトップページではなく、投稿に関連した「該当の施工事例ページ」や「専用のLP(ランディングページ)」に設定しましょう。
④ 動画活用:YouTube施工動画・ルームツアーの埋め込みとSEO効果
写真や文字だけでは伝わりにくい「実際の部屋の広さ」や「家事動線のつながり」を擬似体験としてリアルに伝えることは、施主の心理的なハードルを下げる上で重要です。
施工事例やコンセプトページには、YouTubeのルームツアー動画などを積極的に埋め込みましょう。
ただ埋め込むだけでなく、動画の見どころをテキストで掲載しておくのもポイントです。
文字にすることで検索エンジンに内容が正しく伝わり、「〇〇市 注文住宅 ルームツアー」といった具体的なキーワードからのアクセス強化が期待できます。
また、動画を埋め込むことでユーザーのページ滞在時間が長くなり、Googleなどの検索エンジンから質の高いサイトと評価されやすくなるのもメリットです。
⑤ コンテンツ設計:施工事例・お客様の声・スタッフ紹介の充実
住宅は高価な買い物の1つであるため、ユーザーの多くは「本当にこの工務店に任せて大丈夫か」という不安を抱えています。
その不安を解消し、信頼へと変えるために不可欠なのが、以下の3つの”コアコンテンツ”を充実させる設計です。
| コンテンツ | 掲載内容 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 施工事例 | ・「施主の要望」に対する自社の提案、設計ストーリー ・断熱や耐震性などの性能スペック | 自社の提案力・技術力をお証明する |
| お客様の声 | ・手書きのアンケート画像 ・新居前での施主とスタッフの記念写真 | 第三者の評価によるリアルな満足度を可視化する |
| スタッフ紹介 | ・代表や設計士、現場監督の顔写真 ・家づくりへの想いや自信の資格、経歴 | 会社の透明性を高め、親近感と安心感を醸成する |
こうした客観的な事実と人の温度感が伝わるコンテンツが揃うことで、HPは単なる企業の会社案内ではなく、ユーザーの不安を1つずつ解消していく強力な営業ツールへと進化します。
また、可能であれば下記の情報も記載しておくと、信頼度の向上が期待できます。
- 住宅完成保証制度への加入
- 創業年数・累計施工棟数・建設業許可番号
- アフター保証・定期点検の体制
- 第三者評価(TDBの評点、取引銀行、住宅瑕疵担保保険の加入など)
HP+SNS+動画+広告の連携で成果を出した事例
ある地方の建設・リフォーム会社(以下「A社」)が、HP+SNS+動画+広告の連携で成果を出した事例を紹介します。
①A社が抱えていた課題
A社はもともと自社HPを運用していましたが、集客導線は「資料請求」のみ。資料を発送してもその後の反応が薄く、成約につながらないといった課題を抱えていました。
その原因は、ターゲット層の絞り込みが曖昧で、「誰に・何を届けるか」が明確になっていないことにありました。
②戦略の転換
HPリニューアルに当たりまず行ったのは、「本当に自社とマッチするお客様像」を具体的に再定義することです。
商圏(エリア)を具体的に絞り込んだうえで、A社が得意とする家づくりの特徴(工法・デザイン・価格帯)から、A社の強みがもっとも刺さる層に設定しました。
同時に、冷やかし層が多く成約率が低い資料請求を捨て、「家づくり勉強会」や「無料相談」への参加をHPの最終ゴールに設定。
このターゲット像とゴールは、HP・YouTube・Instagram・広告すべてに一貫して反映させました。
③HPリニューアルの内容
新しいゴールである「勉強会・相談会」への誘導を最大化するため、以下の内容でHPリニューアルを実施しました。
- トップページ
ターゲット層に響くメインビジュアルへの変更。ファーストビューで「この工務店が何を提供できるか」が一目で伝わる構成に再設計。 - イベント情報、通知機能の更新
勉強会・相談会などのイベント情報をタイムリーに告知するための通知機能を配置。 - 施工事例記事の充実
「完成写真+スペック」→「家を建てた後の暮らしがどう変わったかを伝える構成」にリニューアル。施主インタビューを組み合わせ、ストーリー性を演出。 - スタッフ情報の更新
スタッフ紹介、代表の想い、職人の仕事ぶりなど「人」が見えるコンテンツを追加。 - 価格のオープン化
坪単価や費用の目安をオープンにし、「この予算で建てられるのか?」という不安を解消。ミスマッチを防ぎ、問合せの質を向上させた。
④SNS・動画への展開
HPコンテンツを起点に、YouTube・Instagram・TikTokへのコンテンツの横展開を実施。
企画から撮影までを一気通貫で行い、ルームツアー動画や、職人の仕事ぶりを紹介する動画を公開しました。
YouTube広告の配信も行い、集客導線をHPだけで完結させない工夫を取り入れました。
⑤教訓:予約システムの落とし穴
Web制作パートナーと連携して進めたA社のHPリニューアルですが、その過程で一つ大きな落とし穴がありました。
利便性を高めるために「オンライン予約システム」を導入した際、申し込み完了ページのURLが変更になったことで、Google広告のコンバージョン学習データがリセットされてしまったのです。
広告の自動入札は過去の蓄積データをもとに最適化されるため、データが切れたことで、一時的に広告経由の問い合わせ数が大きく落ち込む事態となりました。
幸い、設定を再構築して数週間の学習期間を経たことで数値は徐々に回復しましたが、「HPリニューアル=単なるデザインや機能の変更」と捉えるのは危険だという強い教訓になりました。
裏側で連動しているWeb広告やSEOへの影響まで、トータルで考慮した移行計画が不可欠です。
成果
HPリニューアルとSNS・動画のトータル設計を貫いた結果、A社のHPは確実な集客成果を実現しました。
施策が軌道に乗ったことで、Web経由での「家づくり勉強会」の申し込み数は年間121件にまで到達。その結果、最終的な成約数はリニューアル前の3件から18件へと大幅に増加しました。
「とりあえずSNSをやる」のではなく、全てのメディアを一筋の導線として繋ぐ設計こそが、リニューアルを成功させる鍵となります。
リニューアル前にやるべき現状分析のフレームワーク
HPリニューアルで失敗しないためには、まず自社の現状を把握してからリニューアルに着手すべきです。
「3C分析」と呼ばれるフレームワークを活用すれば、感覚や思い込みではなく、事実に基づいた方針を立てられます。
| 3Cの分析要素 | 概要 |
|---|---|
| 市場・顧客(Customer) | 自社の施工エリアにおいて、家づくりを検討している世帯(ターゲット)のニーズや市場の動向 |
| 競合(Competitor) | ターゲットが重なる競合工務店やハウスメーカーのシェア、強み、Web上での集客施策 |
| 自社(Company) | 自社の経営資源、施工クオリティ、過去の施主から選ばれている独自の強みや課題 |
工務店における3Cの分析ポイントは、以下の通りです。
- 市場・顧客(Customer)の分析ポイント
ターゲットの基礎データ(家族構成、平均年収など)を把握した上で、住宅へのこだわりや資金面の不安要素を徹底的に洗い出します。この分析結果が、HPの掲載内容の優先度を判断する基準になります。 - 競合(Competitor)の分析ポイント
ターゲットやデザインの方向性が重なるライバル社を3〜5社抽出します。訴求方法だけでなく、資料請求や見学予約への誘導設計まで細かく調査するのがコツです。他社の動きを掴むことで、自社サイトがWeb上で埋もれないための差別化戦略が見えてきます。 - 自社(Company)の分析ポイント
過去の施主から選ばれた理由を振り返り、自社の本当の強みを客観的に再定義します。顧客ニーズと競合の強みを踏まえ、独自の価値を明確にすることが重要です。この強みが、HPのメインビジュアルやキャッチコピーの核となります。
まとめ
工務店のHPリニューアルで重要なのは、見た目のデザイン変更ではなく、確実にお問い合わせに繋げるための「集客設計」です。
SNS・動画・広告と連携し、スムーズな集客ルートを構築するためにも、まずは自社の強みと課題を見出す現状分析から始める必要があります。
「どこから手をつければいいかわからない」「自社の現状をどう整理すればいいか悩んでいる」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
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・HPをリニューアルしても成果が出ない原因
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