最近のAI(人工知能)の発展はビジネスや社会そのものを大きく変えつつあり、AIに関する知識を学ぶことや、AIを開発するスキルを本格的に身につける重要性は増す一方です。
そのような状況において、AIに関する知識・スキルを客観的に証明する資格の価値はより高まっています。
しかし、どの資格が本当に実用性が高くて、どのように自身のキャリアアップに繋がるのか、よく分からない方も多いのではないでしょうか?
この記事では初心者からプロのエンジニアまで、あなたのキャリアアップに役立つ実用的な7つのAI資格について解説します。
AI資格おすすめ7選:注目される背景と取得するメリット
AIスキルは今や特定のエンジニアだけでなく、ビジネスのあらゆる場面において欠かせないスキルになっています。
生成AIやデータ分析の活用が進む中で、「AIを理解できて使いこなせる人材」のニーズが急速に高まっていますが、市場の急成長に伴う人材の育成が追いついていません。
AIに関する資格を取得するメリットは、下記のとおりです。
- 今後も成長が予想されているAI業界で、キャリアアップするチャンスが増える
- 自分の知識やスキルを客観的に証明でき、社内やクライアントからの評価向上に繋がる
- 資格取得を通して体系的に知識を学ぶことで、効率よくAIの基礎から応用までを身につけることができる
このような背景から、資格を取得することが将来のキャリアアップに結びつくため、AIに関する資格への注目度は高まっているのです。
初心者向けのおすすめAI資格
AIについて体系的に学習できて、なおかつAIの全体像が理解できる資格を解説します。
一般のビジネスパーソン・学生・初心者といった、これからAIについて学び始める方に向いています。
これらの資格はプログラミング経験がなくても受験が可能で、短期間で資格取得を目指せるため、基礎知識からビジネスで活用する方法まで網羅的に学ぶのに最適です。
生成AIパスポート試験
▲引用元:生成AI活用普及協会(GUGA)
生成AIパスポート試験は、ChatGPTなどの生成AIに関する基礎知識と、AIを活用するためのリテラシーを学べる入門資格です。
生成AIに関するリテラシー全般を初心者でも学べる資格で、難易度も比較的低く、学習時間の目安は50時間から100時間程度です。
試験はオンラインで年5回開催され、60分の試験時間で60問に回答し、受験料は11,000円です。
- 生成AIの仕組み・特性についての理解
- プロンプト作成の基本
- 著作権・情報漏洩などのリスク管理
- 倫理的課題
- ビジネスでの活用方法・AIリテラシー
といった、生成AIを安全かつ効率的に使うための幅広い知識が問われます。
この資格を取得すれば、生成AIを実務で活かすスキルを持つことを証明できるので、ChatGPTやCopilotなどを業務で活用したい初心者に最適でしょう。
G検定
▲引用元:一般社団法人日本ディープラーニング協会
G検定(ジェネラリスト検定)は、AIやディープラーニングの知識をビジネスで活用するリテラシーについて学べる資格です。
体系的な知識やスキルの習得を通して、「AIの全体像を理解している人材」であることを客観的に証明できる資格なので、幅広い職種で活用できます。
試験はオンラインで年6回・試験会場で年3回実施され、120分の試験時間で約160問に回答し、受験料は13,200円です。
- AIの歴史・基礎理論
- 技術的な用語・社会実装に関する知識
- ディープラーニングの具体的な手法
- AIに関する法律や倫理
など、AIの理論的背景からビジネスでの活用まで広範囲に出題されます。
学習時間は80時間から150時間が目安とされており、エンジニアレベルの知識は不要だけれど、AIを業務上の困りごとの解決・効率化のために活用したい方におすすめです。
DS検定

▲引用元:一般社団法人データサイエンティスト協会
DS検定(データサイエンティスト検定 リテラシーレベル)は、データサイエンスの基礎・AI・ビジネスの基礎を理解していることを証明する資格です。
数理統計の知識が問われるなど、G検定より出題範囲は広くなっており、学習時間の目安は50時間から150時間程度です。
試験は年3回、全国の試験会場でCBT方式により行われ、試験時間100分で100問に回答し、受験料は10,000円です。
- データサイエンス
- データエンジニアリング
- ビジネスの知識
- 社会におけるデータやAIの活用
- データリテラシー
といった、データサイエンスや分析の基礎から、実践での活用まで幅広く出題されます。
AI実務に必要な統計・データエンジニアリング・機械学習の基礎を幅広くカバーしているため、データ分析職を目指す方や、データ活用力を高めたいビジネスパーソンに最適です。
中~上級者向けのおすすめAI資格
AIエンジニアや機械学習エンジニア・データサイエンティストとして、技術的な専門性を極めたい方におすすめの資格を紹介します。
これらの受験にあたっては、AI開発・システム構築の実務経験やプログラミングスキル所持が前提で、資格を取得すれば高度な専門スキルを持つことを証明できます。
試験の難易度は高いですが、AIを「作る・運用する側」のプロフェッショナルとして、専門性とエンジニアとしての市場価値をより高めることができるので、キャリアアップに直結するでしょう。
統計検定

▲引用元:統計検定
統計検定はAIや機械学習の基盤となる、統計学の基礎知識や応用力を理解していることを証明する資格です。
1級から4級までレベルに応じた試験がありますが、エンジニア・研究者・データサイエンティストを目指すなら、大学基礎レベルの統計学が範囲である2級以上の取得がおすすめです。
統計検定で2級以上を取得すれば、データが持つ意味を正しく解釈し、機械学習モデルの出力結果を客観的に判断できる能力を持つ証明になります。
- 2級:大学基礎科目レベルの仮説検定など、データから結論を導く能力(受験料 7,000円)
- 準1級:応用的な統計学レベルの各種解析法の使い方・解析結果の正しい解釈(受験料 8,000円)
- 1級:「統計数理」と「統計応用」が出題され、大学の専門分野修了レベルの応用実践力・高度な課題を解決できる総合的な能力(受験料 各6,000円)
といった、AIや機械学習の知識、実務で頻繁に使用する統計手法、データを分析した結果の信頼性を向上させる理論的背景が問われます。
試験日程は1級のみ年一回(11月中旬・PBT方式)、その他は月数回(会場によって異なる・CBT方式)行われ、試験時間90分で20〜35問に回答し、学習時間の目安は150時間から300時間程度です。
準1級以上を取得すると、高度な統計処理やデータ分析のスキルを持つことを証明できるので、即戦力としてアピールできます。
Python 3 エンジニア認定データ分析試験

AI開発やデータ分析の現場において、最も利用されているプログラミング言語であるPython(パイソン)を使用し、データを分析してグラフで見える化する力を測る試験です。
Pythonを用いたデータ分析の基礎的な知識と応用力を用いて、「コードが書ける実務家」としてのスキルを証明できます。
試験時間60分で40問に回答し、全国の試験会場で通年受験可能で、受験料は10,000円です。
- データエンジニアの役割
- Pythonと環境
- データ分析に必要な数学の基礎
- データを扱うためのライブラリによる分析実践
- 応用:データ収集と加工
といった、「データを読み込み、整えてグラフ化し、予測する」一連のスキルを理解しているかが問われ、学習時間は80時間から120時間程度が目安です。
AIエンジニアは実際にコードを書いてデータを処理できることが必須ですが、試験対策を通して効率的なデータのクリーニングや可視化の方法が身につくため、AI開発でコードを読み書きする実務のスピードが格段に上がるでしょう。
E資格

▲引用元:一般社団法人日本ディープラーニング協会
E資格(エンジニア資格)は、AI開発におけるディープラーニング(深層学習)の理論を理解し、ゼロから実装できるスキルを認定する資格です。
国内では最難関のAI資格で、生成モデルやTransformerなどの最新技術も試験範囲に含まれており、学習時間も400時間から600時間が目安です。
受験にあたっては、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する「JDLA認定プログラム」を、試験日までの過去2年以内に修了している必要があります。
- 確率・統計など数学的基礎
- 機械学習の基礎
- 順伝播型ネットワークなど深層学習の基礎
- 分散処理・環境構築など開発・運用環境
- 画像認識・物体検出など深層学習の応用
といった多岐にわたるディープラーニングの理論、画像認識・自然言語処理・生成モデルなどのプログラムにおける開発実装能力が、100問程度で問われます。
全国の試験会場で年2回CBT方式により実施され、試験時間は120分、受験料は33,000円です。
合格すればAIエンジニアとして実践的・専門的なスキルを持つことを証明できるため、AI分野での開発業務に就きたい方、転職やフリーランスでのアピールポイントが必要な方におすすめです。
Google機械学習技術者認定
Google機械学習技術者認定(Google Cloud Professional Machine Learning Engineer)はGoogleの設計思想を学び、Google Cloudにおける機械学習・生成AIの実務能力を証明する国際的な資格です。
AIの設計・実装・運用に関する専門知識を用いて、Google Cloud上でAIを動かし続ける仕組み(MLOps)を構築できるかが問われる試験で、人工知能の一部である機械学習の知識と実務的なスキルを証明できます。
受験にあたって必須ではありませんが、3年以上の業界経験、1年以上のGoogle Cloudを使用したソリューションの設計・管理経験を持つことが推奨されています。
- データ処理システムの設計
- データの取り込みと処理
- データの保存
- 分析用データの準備と使用
- データワークロードの維持と自動化
といった、実務に直結した実践的な判断力が問われ、オンラインまたは全国の試験会場で受験できます。
120分の試験時間で50〜60問が出題され、学習時間はプロフェッショナルであれば概ね150時間から250時間程度で、受験料は200USドルです。
今後ますます重要性が高まる分野で、AIエンジニアとしてグローバルに活躍したい方や、エンジニアとして世界基準のスキルを証明したい方に最適です。
まとめ
ポイントまとめ
・未経験者やAIの基礎を学びたいなら、「生成AIパスポート」「G検定」「DS検定」
・エンジニア、研究者、データサイエンティストを目指すなら、「統計検定」「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」
・現役エンジニアがキャリアアップを目指すなら、「E資格」「Google機械学習技術者認定」
AIに関する資格を取得することは、実務でのAI活用スキルを証明し、あなたのキャリアの選択肢を増やすことに繋がります。
大切なのは「資格を取得すること」をゴールにせず、その学習過程で身につけた知識を、いかに実際の仕事やプロジェクトで活かせるのか?という視点を忘れないことです。
まずは関心のある資格を一つ選び、テキストに目を通してみるところから始めてみてください。
自分の目的やキャリアプランに照らし合わせて学習を進め、資格の取得を通して身につけた思考力や技術を用いて、AIを実践で使いこなせる人材を目指しましょう。
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