ノーコード開発のメリット・デメリットは?導入時のポイントや失敗例も合わせて解説

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執筆者 株式会社カチカ

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最終更新日:2025年12月23日(2025-12-23)

「自社でアプリやシステムを作りたいけれど、エンジニアがいない」

「外注費が高額で、そもそも開発に踏み切れない」

こうした課題を抱える企業が増える中、代替手段として注目されているのが、専門知識がなくてもアプリやWebサイトを構築できるノーコード開発です。

この記事では、ノーコード開発のメリット・デメリットを始め、導入可否の判断基準や失敗しやすいケース、導入時のポイントについて解説します。

ノーコード開発のメリット

ノーコード開発が注目される背景には、開発スピード・コスト・運用体制の最適化といった実務的なメリットがあることが挙げられます。

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

①開発期間の短縮

ノーコード開発の最大の強みは、開発期間を大幅に短縮できることです。

従来のシステム開発では、企画からリリースまでに数ヶ月〜半年以上を要するケースが珍しくありませんでした。

しかし、直観的な操作が可能なノーコード開発なら、アイデアを素早く形にできます。

そのため、実用レベルのプロトタイプを数日〜数週間で用意することも難しくありません。

変化の激しい現代ビジネスにおいて、このスピード感は最大のメリットになります。

②開発費用(コスト)の削減

開発期間が短縮され、外注が不要になる場合が多いことから、コスト面でも大きなメリットがあります。

開発会社へ依頼すると数百万円〜数千万円規模の費用が発生するケースでも、ノーコード開発ならその多くを社内リソースで補うことが可能です。

これにより、システム開発にかかる初期投資を最小限に抑えることができます。

③誰でも開発に参加可能

「プログラミングの専門知識を持たない人でもシステム開発に参加できる」といった点も、ノーコード開発の大きなメリットです。

従来の開発ではプログラマーやエンジニアといった専門家が開発の中心でしたが、ノーコード開発ではビジネス部門の担当者やデザイナー、マーケターなど、さまざまなスキルを持つメンバーが参加できるようになります。

例えば、

  • ビジネス部門の担当者はシステムの要件定義やテストにおいて、自らが携わる業務プロセスの知識を活用できる
  • デザイナーはUI/UXデザインの専門知識を活かし、使いやすく魅力的なインターフェースの設計に貢献する機会が得られる

このように多様な視点を取り入れて、使用するユーザーのニーズに合ったシステムを開発することが可能です。

ノーコード開発のデメリット

ノーコード開発にはメリットだけでなく、カスタマイズ性の制限や、ツールへの依存などのデメリットも存在します。

これらを理解しておくことで、ミスマッチによるトラブルを防ぐことができます。

①高度なカスタマイズが難しい

ノーコード開発ツールはあらかじめ用意された機能やテンプレートに基づいてシステムを構築します。

そのため、細かなデザイン調整や複雑なロジックの実装、高度なカスタマイズは難しいです。

自社ならではの独自性(業界特有の特殊な計算処理など)を前提としたシステムを作りたい場合は、ローコード開発や従来のプログラミングによる開発も選択肢に入れておきましょう。

②ツールへの依存リスク

ノーコード開発ツールで構築したアプリケーションは、基本的にそのツール上で動作します。

そのため、将来的にサービスが終了した場合や価格体系が変更された場合に、システムが利用できなくなるリスクが伴います。

別のツールや通常のプログラミング開発へ乗り換えたいと思っても、データをそのまま移せないことが多いです。

データを移行できる場合でも、再構築に多くの工数が発生するため、ツール選びの段階で信頼性や実績、サポート体制を確認しておくことが大切です。

③大規模開発・高負荷処理には不向き

ノーコード開発ツールは、小~中規模の業務アプリには適しています。

しかし、大量のアクセスを処理したり、高いパフォーマンスが求められる大規模システムでは十分な力を発揮できないことが多いです。

ユーザー数が急増すると動作が重くなり、処理量が増えるにつれてレスポンスが不安定になりやすい点がその理由です。

また、機能を追加し続けると画面構成やデータ構造が複雑化し、管理が難しくなることも理由として挙げられます。

高度なデータ処理や独自ロジックを組み込む必要がある場合も、専用の開発環境にはどうしても劣ってしまうのが現実です。

④セキュリティ・運用管理面のリスク

ノーコードツールはクラウドベースで提供されることが多く、データの保存場所やアクセス制御に関する仕様をツール側に依存します。

誰でもアプリを作れる反面、適切な権限管理を行わなければツール乱立や属人化につながり、運用負荷が増大する懸念があるのです。

ツール上で機密情報を扱う場合には、セキュリティポリシーとの適合性を事前に確認しておくことが重要です。

ノーコードツール導入可否の判断基準

「ノーコード開発に適しているのか、それともプロによる開発を選ぶべきなのか。」

この判断は、プロジェクトの性質によって大きく変わります。

こでは、ノーコード開発と相性の良いケース、反対に適さないケースを整理しながら、導入可否の基準を明確にします。

ノーコードツールを導入すべきケース

ノーコード開発がもっとも効果を発揮するのは、「業務フローが明確で、難しいシステムを必要とせず、使いながら仕様を調整していくことを前提としたプロジェクト」です。

特に「業務改善ツール」や「小規模アプリ」の領域では、高い費用対効果が期待できます。

具体例としては、以下が挙げられます。

項目具体例
申請・承認フローの簡易アプリの開発・交通費申請
・勤怠申請
・備品購入申請
問い合わせ・相談管理の簡易CRMの構築・社内ヘルプデスク管理
・顧客からの問い合わせ履歴管理
営業チーム用の簡易データベースの構築・見込み顧客リスト
・訪問記録
・商談メモ管理
小規模な予約・スケジュール管理アプリの開発・会議室予約
・設備予約
・研修の参加管理

また、MVP(必要最小限の製品)を短期間で公開し、ユーザーの反応を見ながら改善を繰り返すスタートアップの開発スタイルとも非常に相性がよいです。

プロに開発を依頼すべきケース

ノーコード開発には構造的な制約があるため、すべてのプロジェクトに適しているわけではありません。

デメリットとしても紹介したように、複雑な計算処理、リアルタイム性、膨大なトラフィック、基幹システムとの密な連携が求められる領域では、対応しきれない場面が多くなります。

具体例は以下の通りです。

項目具体例
高トラフィックのECサイトや予約サイトの作成・大型ECサイト
・航空券予約
・宿泊予約
・チケット販売
複雑な計算処理が求められるシステムの構築・金融リスク計算
・需要予測のアルゴリズム
・物流の最適化システム
企業の根幹を支える基幹システムの構築・会計システム
・人事給与システム
・生産管理システム
独自仕様が多く複雑なUI/UXを求めるサービス・SNSプラットフォーム
・メディアサイト
・マッチングアプリ

これらは運用規模が大きく、変更頻度や要件の複雑性も高いため、プロに開発を依頼するのが無難です。

ノーコードツール導入の失敗例

ノーコードツールはスピーディかつ低コストにシステムを構築できる一方で、導入の進め方を誤ると大きな負担が発生します。

ここでは、企業で実際に起こりがちな失敗パターンを整理し、注意すべきポイントを紹介します。

① 要件定義を省略して構築し、完成後に「使えない」と言われた

現場が抱える問題を十分にヒアリングせず、「とりあえず形にしてみよう」と短期間でプロトタイプを構築。

しかし、提出後に担当者から「欲しかったのはこの機能ではない」「業務フローと画面遷移が合っていない」と指摘され、すべて作り直すことになった。

ノーコード=高速開発ができるという先入観が、要件定義の軽視につながった典型例です。

②「作った本人にしか分からない設計」でブラックボックス化

担当者が「自分の理解しやすいロジック」で画面・データを組み上げたため、

・命名規則がバラバラ
・画面遷移が複雑
・計算式がどこに埋まっているか分からない

といった状態に。

引き継ぎ資料もなく、改善どころか現状把握すら困難となり、最終的に新システムへの移行を決断することになった。

ノーコードツールは1人だけでもすぐに開発を進められる点が魅力ですが、その分属人化のリスクが高まります。

ナレッジ共有や運用体制の整備を怠ると、せっかく構築したツールが無駄になってしまいます。

③部署間で意見が割れ、完成直前に仕様変更が頻発

複数の部署が関連するプロジェクトで業務アプリを作ろうとしたところ、

「うちの業務にも対応してほしい」
「このステップは不要にしてほしい」

と意見が割れ、開発後半で大幅な仕様変更が発生。

このようなケースでは「スピードを期待してノーコードツールを導入したにもかかわらず、意思決定に時間を奪われ逆に開発期間が長期化してしまった」といった問題が起こりやすいです。

④ツールの仕様変更で、業務が突然停止した

業務自動化フローをノーコードツールで構築していたが、ツール側の仕様変更で一部のステップが動作せず、業務に支障が生じた。

ノーコードツールは、アップデートや仕様変更が頻繁に行われます。

そのため、外部ツール依存のリスクに気づかず、思わぬトラブルが発生するおそれがあります。

⑤管理部門との調整不足で差し戻しに

現場主導でアプリを作り、リリース直前に情報システム部へ相談した結果、

「社内ネットワークと連携できない」
「アカウント管理ルールに適合しない」
「アクセスログの保存要件を満たせない」

などの理由で差し戻しとなった。

ツール自体に問題がなくても、このように”社内基準との不整合”がボトルネックになることは頻繁にあります。

ノーコード開発の導入時のポイント

ノーコード開発を導入する際、「思い立ったらすぐ全社導入」という進め方は得策ではありません。

多くの企業では、導入初期から範囲を段階的に広げ、ツール理解と内部体制の整備を同時に進めることで安定した運用基盤を築いています。

ここでは、ノーコード導入を成功させるために押さえておくべきポイントを整理します。

①まずは「スモールスタート」から始める

ノーコード導入時に最も重要なのは、初期段階から大規模なシステムを構築しようとせず、小さな成功体験を積むことです。

対象を特定部署・特定業務に絞り込み、実際の業務フローに適用することで、ツールの適性や操作性を現場レベルで把握できます。

例えば

  • 交通費精算だけをアプリ化する
  • 備品管理のみをデジタル化する

といった限定的な改善であれば、短期間で成果を確認しやすく、社内の理解も得やすいでしょう。

②体系的に学習できる環境を整える

導入するツールが決まった段階で、担当者の学習環境を整えておくことも欠かせません。

適切な学習環境が整っていれば、担当者が操作方法や設計の基本を身につけやすくなり、開発効率の向上やトラブル発生時の対応力向上につながります。

  • 公式チュートリアル
  • YouTubeの解説動画
  • Udemyの専門講座

などを活用しましょう。

③属人化を防ぐための運用ルールを設計する

ノーコード開発は誰でも扱える柔軟性が魅力ですが、管理体制が曖昧だと属人化しやすいという特性があります。

そのため、導入初期の段階で

  • 誰が管理責任者となるのか
  • 更新フローをどう設計するのか
  • 異動・退職時の引き継ぎはどう行うのか

といった基本的な運用ルールを明文化しておくことが重要です。

これらのルールが整備されていれば、アプリの更新遅延やデータ不整合といったトラブルを未然に防ぎ、長期的に安定した開発体制を維持できます。

また、ガイドラインがあることで新任担当者もスムーズに参画でき、組織全体としてのノーコード活用度を高める基盤となります。

まとめ

ポイントまとめ
・ノーコードツールには「開発期間の短縮」「コスト削減」「誰でも開発に参加できる」などのメリットがある

・一方で複雑なロジックや大規模開発、高度なカスタマイズには対応できない

・まずはスモールスタートから始め、運用体制を整えるのが成功への近道

ノーコードツールはアイデアを素早く形にする上で強力な武器となりますが、その反面で失敗例も少なくありません。

そのため「手軽だから」という理由だけで導入するのではなく、ツールの特性を理解したうえで適切に使い分ける必要があります。

この記事を参考に、ノーコードツールを働き方改革やビジネスの成長を支えるツールとして上手に活用して下さい。

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