実績コラム
M最初にご連絡をいただいたのはどんなタイミングでしたか?
O制作実績ページをご覧になって、お問い合わせいただきました。「開業まであと約2ヶ月」というタイミングで、「とにかく早く立ち上げたい」というご相談でした。
M2ヶ月というのは、Web制作としては相当タイトなスケジュールですよね。
Oそうですね。ただ、スピードだけを求めているクライアントではなかった、というのが印象的でした。問い合わせの時点で参考サイトを複数用意されていて、デザインへのこだわりも強くある。「早くて、かつクオリティも妥協したくない」という案件でした。
こうしたご相談は、開業前だと珍しくありません。サイト制作まで手が回らないまま、日程が迫ってしまうケースも多いです。「このタイミングからでも間に合うのか」と感じている方も多いのではないでしょうか。
M制作の方針として「信頼と理解を優先する」という話がありましたが、もともとはそこから始まったわけではないんですよね。
Oそうなんです。最初は「おしゃれなサイト」を最優先に考えていました。
ただヒアリングを重ねるうちに、「頭皮アートメイクをそもそも知らない人がほとんど」という現実が見えてきました。知らない人に来てもらうためには、まず施術を正しく理解してもらう必要がある。おしゃれより先に、「これは何の施術か」「自分に関係あるか」を伝えなければならないと判断して、トップページの冒頭に図解を入れる構成にシフトしました。
Mその方針転換は、クライアントにはどう伝えましたか?
O「知ってもらいたい」という想いを強く持っていらっしゃったので、「施術を正しく知ってもらう設計にしましょう」という提案はスムーズに受け入れていただけました。
今回のように、施術自体の認知がまだ高くない場合は、見た目より先に「理解してもらう設計」が必要になります。見た目で惹きつけることも大切ですが、内容が十分に伝わらなければ問い合わせにはつながりにくくなります。
M完成したサイトを見ると、かなり上品で女性向けのテイストですよね。
Oはい、意図してそちらに寄せました。ヒアリングで、髪の薄さや細さに悩む女性のお客様も多いとお聞きしていたので。
男性向けのイメージが強い施術ですが、実際のターゲットはもっと広い。それなら、女性が見ても安心できるデザインにしないといけないと考えました。
「自分のお客さんは誰で、どんな気持ちでサイトを訪れるのか」——今回もここを整理したことで、初めて女性の患者さんにも自然に届く設計に変わっていきました。この部分を整理しないまま進めてしまうと、本来来てほしい患者さんにうまく届かないケースもあります。
M制作中にデザインで悩んだ場面はありましたか?
Oファーストビューの背景色について「少し重いかも」というご意見をいただいたときですね。
その際は、すぐに3パターンを用意して並べてご提示しました。「どれがイメージに近いですか?」と選んでいただく形にすることで、クライアント自身が納得して決められるようにしています。
「なんとなく違う」という感覚は言葉にしづらいものです。だからこそ、選べる形にして一緒に整理していくことが重要だと考えています。
Mコミュニケーション面で意識していることはありますか?
Oご相談の内容だけでなく、「なぜそう感じたのか」を考えるようにしています。
修正依頼ひとつにも、必ず背景があります。それを確認せずに進めてしまうと、ちぐはぐな結果になることもある。
「うまく言えないけど、なんか違う」という感覚があれば、そのまま伝えていただいて大丈夫です。それを一緒に整理することも、ディレクションの役割だと思っています。
M納品直前の対応についても教えてください。
O公開に向けて、症例写真の加工や登録まで一緒に対応しました。開業準備が重なる時期は、サイトまで手が回らないケースも多いので、公開時にしっかり機能する状態を優先して進めました。
M現在もお付き合いは続いていますか?
Oはい。スタッフ追加に合わせたページ制作など、継続してご相談をいただいています。サイトは一度作って終わりではなく、運用しながら育てていくものだと考えています。
カチカの制作は、デザインから始まりません。「誰に、何を、どう伝えるか」を整理することからスタートします。今回のOne Hair Artmakeも、そこから一緒に考えていった案件でした。
何を伝えたいか分からない。強みをうまく言葉にできない。医療・美容系の特殊なジャンルで、本当に伝わるサイトが作れるか不安。
そんな状態から始まることも、めずらしくありません。